2017年2月22日水曜日

第十六話 距離感

付け焼き刃な33日間の物語


ドーケイ、ホーテイ、クソメン割田の実録


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澄みきった空気、朝日が湖を照らす。

きもちいい朝を楽しむように割田はジョギングしていた。



はぁ、はぁ、はぁ、はぁ ・・・

少し荒くなった呼吸が規則的に繰り返される。

ぁあ、ぁあ、ぁあ、ぁあ・・・

少し苦しそうな呼吸が規則的に繰り返される。

ゃばぃ、ゃばぃ、ゃばぃ、ゃばぃ・・・

苦しみが言葉になって規則的に繰り返される。



・・・・・ガシャンっっっ



トイレから出てきた割田はホっとした顔をしていた。

ちょっとだけ濡れているのは、洗った手をズボンで拭いたからだろう。

これからはハンカチを持参しないとな。

割田はつぶやいた。



ジョギングを再開すると、前方にひとりの女性が見えてきた。

その女性もジョギング中だった。

割田は少しペースを上げ、女性に近づいていった。

絶妙な距離感だな。

そうつぶやいた割田の顔は、どこか誇らしげだ。

近づき過ぎれば怪しまれる。

怪しまれないギリギリを攻める。

実生活では、女性との距離感は全くわからないけどね!

自虐に対して、割田は思わず笑ってしまった。

しばらくすると前方の女性は急にペースを上げていった。

割田はそのペースについていけず、女性の姿は見えなくなった。



帰宅後、シャワーを浴びようと服を脱いだ割田はあることに気づいた。

ランパンの股が破れていたのだ。

あぁ、捕まらなくてよかったなぁ。

割田がホっとした顔をするのは、今日2度目だ。



つづく


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