付け焼き刃な33日間の物語
ドーケイ、ホーテイ、クソメン割田の実録
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ピーッ
割田はピリッとした顔つきでゲートを通りすぎた。
戦いに向かう男の顔だ。
昨日の宣言通り、仕事後に水泳場に来たのだ。
割田の本気は本物だった。
う、うぅ・・・
割田の声が漏れた。
水着が小さくてウェストがきつかったのだ。
もちろん水着が小さいのは割田が太ったからに他ならない。
どうにかして履いてみると、その姿はあまりにも醜いものだった。
水着はパンパンで今にも破けそうだ。
ただし、これだけパンパンなのにアソコの部分は強調されることはなかった。
我が愚息を憂える割田にとって、お腹周りの醜さなど気にならなかった。
割田は久々の水泳だったが、軽快に進んでいた。
ヒトは本能レベルで覚えたことは忘れない。
足を洗った殺し屋が何十年ぶりだろうが引き金を引けるように。
所謂、体が覚えてるってやつだ。
泳ぎ終えた後は大浴場でお湯に浸かりながら、運動後のほどよい疲労感に浸っていた。
ただ、割田の顔はどことなく悲しみを纏っていた。
理由はひとつ、割田の愚息は被っているからだ。
同じ性別であるのに、その性の象徴にこんなに差があるんて・・・
割田はこの事実をなかなか受け入れられないのだった。
これからは、シャワーだけ済ませて帰ろう。
割田はそう決心した。
つづく
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