第一話 割田、走る。

ドーケイ、ホーテイ、クソメン割田の実録

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お疲れ様でしたぁ～


この地域ではめずらしく雪が舞うほど寒いこの日、

トラック競技場で練習を終えて帰り支度する1人の男。

割田 亀無（われた きむ）

ドーケイ、ホーテイ、クソメンの35歳。


割田さん、お疲れ様でした～

ん？えぇ？あぁ、はぁぃ、おつかぁ・・・

今度のハーフマラソン出るんですよね？

あぁ、はぁぃ、でま・・・

調子はどうですか？

えぇ、まぁ、ボチ・・・

それじゃ、がんばって下さいね！

あぁ、はぁぃ・・・


割田はランニングクラブに入会していた。

都合のつく限り、平日のトラック練習に参加している。

コミュ障っぷりはあいかわらずだが、

なんとかやっているようだ。


ドーケイ、ホーテイ、クソメン。

今もなおクズ三拍子そろった男に違いないが、

こうして真面目に練習に取り組む割田は去年と比べると別人だ。


うぅぅ、寒みぃ～

そう言って、割田は家まで走って帰って行った。


つづく